高所作業で用いる「スカイボックス」とは?特徴と使い方を解説
東京、大田区から全国へクレーンレンタル、重量物吊り上げ作業、各種ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーンの手配を手がけている丸良興業です。今回は高所でも安全に細かい作業ができる「スカイボックス」についてお話をさせていただきます!
スカイボックスって何?
スカイボックス(SKY BOX)とは、移動式クレーンをベースマシンとして取付ける高所作業用の設備のことです。大変安定性が良く搭乗者が安心して細かい高所作業ができる上、大きな作業半径にも対応出来るため現場作業の効率化にも寄与致します。搭乗者は無線によりベースマシンに乗っているクレーンオペレーターに指示を出し、正確に目的地に着くことができます。高所での作業には高所作業車という選択もありますが、どんなタイプの高所作業車を選んでも高さにして15mが限界です。一方スカイボックスはクレーン車の先に取り付けるものなので、クレーン車の大きさによっては最大80mもの高さも可能です。圧倒的な差ですね。
スカイボックスと高所作業車の違いとは
スカイボックスとは、クレーン車の先に取り付けて、高所作業車以上に高い場所の作業を可能にする、高高度作業用とう乗設備(ゴンドラ)のこと。高所作業車は、作業装置と走行装置で構成された車両です。走行装置や昇降する仕組みなどで、種類は分かれます。下記は、高所作業車の一例です。
- トラック式
トラックに高所作業できる機械を取り付けた、一般道を走れる車両。ナンバー登録が必要。
- クローラ式
キャタピラ式の走行装置で、舗装されていない場所でも、走ったり作業したりできる車両。
- 垂直昇降型
作業床が走行装置に対して垂直に上下する車両。「シザーズ系」「タワー系」「シグマ系」に分かれる。たとえばシザーズ系は、パンタグラフ式の昇降装置で作業床を2点で支えるので、作業床の水平度の維持と高所の揺れを抑えやすいのが特長。
高所作業車は、10~15mほどしか行かず、荷重は10tもありません。一方、スカイボックスは軽いため、ブームがフルで行ける所まで届きます。高さにして、70m弱ほど。荷重も高所作業車よりある70tです。
スカイボックスに乗るのに、資格は不要です。
高所作業車の運転は、労働安全衛生法の規程・実施のために定められた労働安全衛生規則に基づいて、講習を受けなければなりません。高所作業車の資格は、作業床の高さによって異なります。
作業床の高さ | 10m未満 | 10m以上 |
講習内容 | 高所作業車運転特別教育
※労働安全衛生規則第36条10の5に基づく |
高所作業車運転技能講習
※労働安全衛生規則第83条に基づく |
どちらも、民間の教育機関でも受講できます。
その他に、長期の現場ほど、スカイボックスの方が高所作業車より安くなるのも特長的。丸良興業は車の貸し出しのみはしていないので、大きいクラスは、現場に車両を運んだり、現場で作業車を操作したりするオペレーターが必要です。車だけ現場に止めることはできないので、オペレーターの現場の行き来が増えるほど、費用がかかります。
スカイボックスは、作業半径が高所作業車より半分ほど広く、荷重もあるので、作業の効率アップが可能です。作業がスムーズであれば、工期の短縮につながり、費用を抑えることにつながります。
スカイボックスの作業事例
作業範囲が広いスカイボックスなら、車両の移動時間を減らした工事が可能です。たとえば、パラボラアンテナのような大型で高所作業を伴う時に活躍します。
今回紹介するのは、株式会社誠和土木様からご依頼いただいた、鹿島宇宙技術センターのパラボラアンテナの撤去についてです。
この作業は、11mと34m2機のアンテナの撤去が必要でしたが、34mものアンテナの撤去は、方法が限られます。たとえば、高所作業車を使う方法です。しかし、高所作業車は、スカイボックスほどの安定性がないため、アンテナの骨組み解体と下ろす作業を安全に行うには、時間がかかります。
一方、スカイボックスは、安定した状態で解体作業ができることに加え、解体した骨組みをデッキに載せたまま地上に運べるので、安全性を確保した状態で短時間の作業を可実現できました。
撤去に使用したのは、100tラフタークレーンとスカイボックスです。作業は以下のような手順で行います。
- パラボラアンテナを吊り上げる
- アンテナを地上に下ろす
- 下ろしたアンテナを地上で溶断する
株式会社誠和土木様から受注した工事は、国交省依頼の公共工事でした。通常、公共工事ではスカイボックスを使えません。しかし、丸良興業は、スカイボックスで経営革新計画の認定を受けているので、使用した作業ができました。
スカイボックスではこんなことができる!
スカイボックスの特徴としては
1 高々度の作業が可能(50m以上も可)
2 広い作業半径を確保(30m以上も可)
3 安心安全な搭載重量(作業員含め400㎏以上)
この3つがあります。特に1の高々度については装着機種を120tにした場合に最大80mまで可能です。ボックスは常時自動的に水平状態を保持するので、安定した環境で作業することができます。
スカイボックス作業ではどんな人が必要なの?
スカイボックスの作業、何だか魅力的だなぁ、頼んでみようかなぁと思っても、実際の作業に伴い何人くらい人が必要になってくるのか気になりますよね。そこでざっくりとご説明したいと思います。
スカイボックスの作業には、これだけの人が必要になってきます。
・スカイボックスを装着するクレーンを運転操縦するオペレーター→要資格
・スカイボックス運ぶユニックを運転操縦するオペレーター→要資格
・スカイボックス組み立てる人→特に資格はいりません
・スカイボックスに乗車して操作する人→特に資格はいりません
ただし、この役割分だけ忠実に人が必要かというとそうではなく、スカイボックスの組み立てなどはオペレーターが兼任できるので、作業にあわせて最低限の人工で行うと良いでしょう。
そして丸良興業は、スカイボックス作業に関して平成26年11月14日に東京都労働局労働基準部安全課より公式認定していただきました。この認定は業界でもなかなか取れません。丸良興業の会社としての信用と実績が認められている証拠なのです。
こんな作業に最適!スカイボックスの使い方
スカイボックスが活躍できる作業はいろいろあります。
工場やドームなどの大型建設工事現場、高層ビルのメンテナンス、発電所やプラント、野球場やゴルフ練習場などのスポーツ施設、それからコンサートや撮影現場などでも使用されています。意外な使い方としてはテレビやドラマ、映画撮影の際に雨を降らせることも。従来の高所作業車では届かなかった高さや作業範囲をカバーできるだけではなく、そこに人が乗って作業をするので正確さを要する複雑な作業もスムーズにできるのです。作業用デッキの移動はクレーンオペレーターが無線にて指示をキャッチし、的確に目的地へと操縦します。
総じて、スカイボックスの作業は大きな移動を伴うものより定点での細かい作業が必要な現場に向いていると言えますね。地上50mの高さで10cm単位くらいで動くことができるので驚きです。
費用はどのくらい?スカイボックスは他の作業方法よりもお得なの?
スカイボックスの作業はクレーン車に装着して行うものなので、作業を依頼する場合はクレーン車の料金にプラスしてスカイボックスの料金が必要になってきます。その為、通常のクレーン作業を依頼するよりは割高になります。しかし、高所の作業という意味で足場を組む方法と比較すると断然安いのも事実です。実際に足場をかけられないような建造物などでスカイボックスが活躍するわけですが、その作業が一日で終わるような単発のものであれば、足場を組む費用と比べてケタが変わるほど安い費用で済みます。
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丸良興業はラフターやオールテレーンクレーンを含め幅広いラインナップでクレーン車を保有しておりますので、お客さまの作業内容、用途によって適切な車種の選択が可能となります。車種は20tから120tまで幅広く取り揃えておりますので、最適な一台を選ぶことができます。
クレーン車にスカイボックスを装着することにより、高所での作業の可能性は一気に広がりますね。丸良興業では、最近スカイボックスを使ってゴルフ練習場のネットを付け替えました。
スカイボックスでの作業をお考えの方は、是非弊社にご用命ください!
スカイボックスで経営革新計画の承認を得ているので、公共工事でもスカイボックスを使用して、短期間で安全な作業が可能です。
公共工事で高所作業が伴う場合も、是非弊社をご検討ください。
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