120tオールテレーンクレーン作業料金見積もりから見る、賢いクレーンレンタルとは
東京、大田区から”全国へ”。クレーンレンタル、重量物吊り上げ作業、各種ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーンの作業・手配を手がけている丸良興業です。
今回はクレーン車のレンタル、手配をご検討されている皆様に、各オールテレーンクレーンのレンタルにかかってくる総費用のご説明をさせて頂きたいと思います。
※あくまでもサンプルです!料金は改定される場合がございます。正確な費用は弊社までお気軽にお問い合わせください!
クレーン車を普段手配しない方にとってみれば、レンタル費用が”どの”項目に対し”何の目的で”かかってきくるのか、見えづらい現状があると思います。
伴って、お客様が発注の際に気をつけなければならないことは、『専門知識がないことを逆手にとる会社も中には存在する』と言うこと。つまり……
”同じ”クレーンに”同じ”作業を発注しても、会社によって見積もりの金額に差が出てきてしまう可能性があることです。
何を項目に記載し、何を省けるかとことんこだわって考えぬくこと、そのことを明確にお客様にお伝えすることこそが弊社の企業努力です。
今回は弊社丸良興業有限会社の見積書のサンプルをもとに、料金の詳細をご説明いたします。
明細に書かれている項目の概要を知るだけでも、賢いクレーン会社選びに役立つはずです。
オールテレーンクレーン120tにかかる費用
今回サンプルとして取り扱う見積書は……
120tのオールテレーンクレーンのレンタルをした場合に作られる1例です。
※表の料金は2018年時点
【種目・名称:クレーン】
(1)オールテレーンクレーン120t本体のレンタル1日の料金
(2)本体回送費
【種目・名称:運搬費】
(3)ウエイト運搬用トレーラー
(4)先導及び、専用鉄板運搬車
(5)組立解体作業費
【種目・名称:申請費】
(6)特殊車両通行許可申請
この見積書を6項目に分け、説明不要の(1)本体のレンタル費を飛ばし、順番に見ていきたいと思います。
(2)オールテレーンクレーンの回送費とは
回走費とはオールテレーンクレーン車本体を現場まで運ぶ(走らせていく)ための料金を指し、現場が都内でも都外であっても関係なくかかってまいります。
弊社の見積もりには回送費に”車庫を出るために段取りをする”ための費用、「入出庫費」を含んでおりますので、別途お支払いしていただく必要はありません。
(3)オールテレーンクレーンのウェイト運搬用トレーラーとは
この費用は120tオールテレーンクレーンを動かすために必要な「ウェイト(重り)」を
運搬するトレーラーにかかる費用です。
(4)オールテレーンクレーンの先導及び、専用鉄板運搬車とは
先導車とは、自重20t以上の大型車両が走る際に必要になる車両を指します。
前後に1台づつ先導車を走らせなければならない決まりは安全確保を目的とするもの。
クレーン車は走行途中に自分だけの視界からバックをする事が出来ません。後ろにも先導車が必要なのは、クレーン車の内側への巻き込み事故を未然に防ぐことが目的です。
※先導車の車種に規定がないため、弊社ではクレーンが作業時に出す”支え”、「アウトリガ」の下に養生する鉄板を運ぶ「ユニック」を走らせています。ユニックが先導車になることで、車両1台で2役をこなすことができ、料金を少しでも抑えることに貢献しているのです。そのため見積もりの書き方は「先導及び、専用鉄板運搬車」となっております。
(5)オールテレーンクレーンの組立解体作業費用
今回のオールテレーンクレーン120tは、ブームの組立・解体の必要がないクレーン車。ですので、組立解体作業費用とは「ウェイトの取り付け」の作業にかかる費用です。
(6)オールテレーンクレーンの特殊車両通行許可申請
名前のとおり、国土交通省が定めている20t以上の特殊車両を通行させる為に必要な許可申請費用です。
80t〜120tまでのオールテレーンクレーンをご紹介
それぞれに長所、特徴がございます!
上に出したのは、120tのオールテレーンクレーンの見積書の一例です。
では、他のオールテレーンクレーンではどうでしょう?
この記事で、全ての車両の細かな明細まで書いてしまうと、混乱を招くことが心配されます。
そこで、今回は車両のレンタル費用とオールテレーンクレーンの簡単なご説明のみを記載させていただきます。
【80t】LTM-1080NX 知る人ぞ知る「80t」クラスのパワー
料金/1日:300,000円
この80tのオールテレーンクレーンは、100tのオールテレーンクレーンと比較をしても遜色がない程にパワーを出せるポテンシャルを秘めているにもかかわらず、存在はあまり知られていない……。
非常に勿体ないオールテレーンクレーンです。
そもそもクレーンのパワーはクレーンの重さに依存します。「どれだけのパワーを引き出せるか」は「自重にプラスしてどれだけウェイトを背負えるか」とも言い換えることが出来ます。
車両の運転席とオペレーター室が一緒になっているラフタークレーンと違い、オールテレーンクレーンは言わば「トラック」。
ウェイトを背負い込むことで「100tクラスに任せるのが妥当」と思われる作業であっても十分な活躍を期待できるのです。
中でも80tオールテレーンクレーンは使い勝手がよく、何より”安い”
80tと100tでは1日のレンタル料金に「10万円」もの差が出てきますので、作業内容/作業現場によってはコストダウンが実現できます。
正しい車両選定とはパフォーマンスをお約束した上で、抑えられる料金の可能性をも模索し、お客様にとって最善のご提案することでもあります。
【100t】ATF-100G-4
料金/1日:420,000円
この100tのラフタークレーンの大きな特徴は、自走式であること。
そしてブームに「ラチスジブ(継ぎジブ)」が採用されていることです。
ラチスジブの搭載によって他100tクレーンよりも重い物を吊り上げることが可能。200tクラスのクレーンが必要されている現場であっても仕事を任せることが出来ます。
これはラチスジブの搭載が、クレーンのパワーを吊り上げる物に集中させることができるためです。
ジブにも様々な種類があり、たとえば「油圧伸縮型のジブ」はシリンダーの入った”油圧装置の重さ”が”吊り上げる物の重さ”に加わってしまうので、ジブの重さ分、吊り上げる物にパワーを集中させることができません。
組み立て式のラチスジブは、ジブ自体の重さを油圧式ほど考慮しなくてもよいためにパワーを仕事に集中させることが出来るのです。
しかしながら、同時にラチスジブは現場での組み立て作業が必要になり、その組み立て作業を行う10mほどのスペースを確保する必要があります。
ですので、ご提案には「料金」「作業時間」「作業内容」「空間の確保」などなど……様々な要因が絡んできますので、ぜひ事前に現地調査を依頼していただければと思います。
【120t】AC120-4J
料金/1日:440,000円
この120tオールテレーンクレーン最大の特徴は、100t〜のオールテレーンクレーンの中で1番車幅が狭いこと。ラフタークレーン並にコンパクトな車体は25tクラスのクレーンと同じサイズ感です。
“重いし小さい”120tクレーンは、道幅が狭い現場でも進入することができ、その上で120tとしてのパワーを発揮できることが何よりの強みです。
「コンマ45(12t~15tクラス)」のユンボを吊り上げる作業を例に、純粋なパワーを見てみます。
同じ価格帯の100tのクレーンが建物の4~5階までしか「コンマ45」を吊り上げることができないのに対し、120tでは7~8階まで吊り上げる事が可能。
ユンボを”上に乗せる”だけであれば、(条件にもよりますが)建物10階近くまで持ち上げる事も可能です。
100tラフタークレーンで対応ができない現場に対し、いきなり200tクレーンの手配をご検討されるのは少し早いような気もします。
100tと価格があまり変わらない、120tのオールテレーンクレーンで”ことが足りる”かもしれません。
【220t】LTM1220-NX2
料金/1日:600,000円
一気に重量は倍近く、220tのオールテレーンクレーンです。
弊社が用意できる中でも最重量クラスのオールテレーンクレーンは吊り上げる物も「コンマ7(20tクラス)」のユンボなど桁違いの重さになってきます。
もちろん、220tのオールテレーンクレーンでなければこなせない仕事はたくさんあります。
ここまで重くなったオールテレーンクレーンは自分の車体だけで車道を走ることが出来ません。作業にはブームを分解して運び、現場で再度組み立てる必要が出てきます。
分解/組み立てを必要とする大型のオールテレーンクレーンの中にも、分解を2分割で済ませられるものと、3分割を必要とするものが存在しますが、ここで紹介したオールテレーンクレーンは前者です。
分解とは言いましたが、厳密に言えばブーム部分だけを外せばよいので、組み立て時間は早くて『1時間30分』ほどを見ていただければと思います。
(傾斜があったり現場の環境によって、組み立て方法が通常と変わってくる場合もあるので、「一概には言えない」と言うのが正直な所です。現地調査を行ったのち組み立て時間は概算として見えて参ります)
オールテレーンクレーン130tでも150tでもなく
120tが”適切”であった新宿の施工事例
明細書の項目、オールテレーンクレーンのご紹介に引き続き、120tのオールテレーンクレーンが活躍した作業事例もご紹介したいと思います。
今回ご紹介する施工事例は、現場に対し適切なクレーンを選ぶことの重要性が分かる好例となっています。
この日の現場は西新宿一丁目。老朽化したビルを解体するために「コンマ25」のユンボを吊り上げる作業を行いました。
作業を発注されたお客様が懸念されていたことは「現場が狭い」こと。
道路・道幅の計測をはじめとし様々な角度から現地調査を行った結果、今回の作業は120tのオールテレーンクレーンに白羽の矢が立ちました。
120tが選ばれた理由は、
・コストを抑えるため
・狭小地での作業を得意とするため
以上、大きく2つです。
クレーンは重さに比例して、作業料金が高額になっていきます。
単純に「コンマ25を吊り上げる」作業であれば、他にも130t、150tのオールテレーンクレーンが候補に上がりますが、コストの観点から見た時120tが適切だと判断しました。
その上で、120tのオールテレーンクレーンは車幅が狭く、今回のような狭小地でこそ真価を発揮できることこそが選択の最大の理由です。
130t、150tのクレーンでは接触が心配される狭い現場であっても120tのオールテレーンクレーンであれば作業に支障は出ません。
また130t、150tと比較して旋回の中心が後方によっているので、”近い距離”で対象物を吊り上げることも出来ます。
ブームを組みバラしの必要もないため、まさに120tオールテレーンクレーンが活躍する”うってつけ”の現場であったのです。
クレーンレンタルは丸良興業へ
ラフタークレーンも、オールテレーンクレーンも条件に一番合うクレーンを手配します!
クレーン車を動かすにあたっては、他にも「高速道路付近での作業への申請」・「通行止めに関わる申請」・「国道事務所への申請」・「バス会社との協議」「中埋設物(電気・ガス・上下水道など)」「地下鉄との協議」…など。
数え上げればキリがないほどの項目が存在します。
しかし、現場や周辺環境をしっかり把握していれば不必要な項目を省くことができます。
どこまでコスト削減を追求するかは企業ごと異なりますが、やり方次第では費用を抑えられるのです。
これは長年クレーンを専門に扱っているからこそできる判断でもあります。
今回の記事でご質問が浮かんだ方、クレーン手配のご相談はお気軽にご相談ください。
満足のいく施工にはお客様の納得が欠かせません。どこまでも丁寧にお答えさせていただきます!
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