施工管理の仕事内容をわかりやすく解説!将来性も◎
建設業界には、工事全体のスケジュールや進行状況を管理する施工管理という仕事があります。
一方で現場監督という工事現場そのものを任せられるポジションもありますが、こちらも管理をすることには変わりはありません。
では、この施工管理と現場監督、いったいどのような違いがあるのでしょうか?
そして、施工管理の仕事内容は事務作業も多く一見わかりにくい!
わかりやすく解説します!
こうしたことを詳しくチェックすることができるのが、丸良興業のコラム。
細かな業務内容を確認していきましょう。
建設業で働く上で得られる醍醐味ややりがいを知ることができたら、きっとこの仕事に興味を持ってくれるはず。
それでは、仕事の内容を詳しく見ていきましょう。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【1】工事を始める前にはまず施工計画書が必要
まず、どんな工事をするにしても施工計画書というものが必要になります。
これは工事に関するすべてが記載されている、まさに設計図のようなもの。これがなければ工事を始めることはできませんし、何も進めることができません。
つまり、施工計画書をつくることが工事のスタートということになります。
ではこの施工計画書は誰が作成するかというと、現場監督を任される人です。
結論から言うと施工管理という仕事と現場監督という仕事はまったく一緒です。
それもそのはず。まずは計画を立ててその計画通りに現場を動かすわけですから、現場監督は工事のすべての工程を把握する必要があります。
そのために工事を始める前に施工計画書をつくって効率的に、安全に行うための方法を吟味するのです。
つまり現場監督は施工管理者であり、施工管理者は現場監督でもあります。
当然ながら工事のすべての管理を任されるわけですから、責任は重大ですがその仕事の将来性は非常に高いです。
では、施工計画書にはどのようなことが記載されているのでしょうか?
施工管理と現場監督の仕事を理解するためにも、まずは施工計画書について説明をしていきましょう。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【2】役所に見せて承認の印をもらう必要がある
丸良興業では、役所から依頼される公共工事を請け負っています。ここでは歩道橋を撤去する工事を例にして、お話をしていきましょう。
まず施工計画書はつくって社内だけで共有すればいいわけではありません。そのすべてを役所の担当者にチェックしてもらって、承認の印をもらう必要があります。
どのように工事を進めていくか、その工程をすべて理解していただき、各担当者からの印鑑が押されて初めて施工計画書に沿った工事ができるようになるのです。
つまり施工計画書をつくることができるようになって初めて一人前ということになります。
大きな案件の施工計画書は2ヶ月近くかけて作成することもあるほどです。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【3】トイレの数や休日についてなど細かな決まり事も
施工計画書には概要や現場の案内図、工事内容などが記載されているのはもちろんのこと、「特記仕様書」といって現場で何を守るべきかも明記されている項目もあります。
トイレをどこに設置するか、廃材をどこに処分するか、そして休日は何日あるか、といったことが決められます。
工事にかかる費用についても、ここで計算されることになります。
工事費総括書という欄には項目ごとにどれくらいの費用がかかるのかが記載されていて、種別内訳書にはさらに細かな数字を記していくことになります。
歩道橋の図面もしっかりとファイルされていて、その寸法が実際に合っているかをチェックする必要もあります。
非常に精密な作業が求められますが、これもすべて安全に工事を進め、予定通りに終了させるため。
この緻密な仕事ができるかどうかで、現場監督としての将来性が決まってくると言ってもいいでしょう。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【4】組織図や緊急時の連絡体制も
もちろん工事に携わる職人さんなど、全員の名簿もあり、どのような組織形態で工事が進んで行くかも記されます。
現場監督は、その中でも最も重要なポジションと言っても過言ではありません。
全体の流れを把握してスケジュール通りに進んでいるかどうかを理解する必要があるわけですから、準備を万端にすることがまずは重要なのです。
緊急時の連絡体制などもしっかり入れておくことで、何か不測の事態が起きた時のために備えておくことも大切です。
予想外の出来事が起きても慌てずに全員が正しい行動をとれるように対処しておくのです。
クレーン仕様一覧表、使用機械一覧表、交通管理など、実際に使用する機材や周辺の交通状況などを調べておくことも必要な手順。こうしたことを抜かりなく行うことができれば、将来性が豊かな現場監督になれるということになります。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【5】品質管理のための方法も記載
施工計画書の詳細の中では、品質を高いレベルで維持する方法についても言及しています。
たとえばすごく寒い日にはアスファルトが舗装する前に固まってしまうことがあります。
これをどうしたら冷まさずに持って行けるかのマニュアルなどが用意されるのです。何が起きても慌てずに動けるように準備することがとても大切なのです。
ですから、施工計画書を上手につくることができれば現場はスムーズに回ります。この施工計画書ができあがったあと、現場監督は工事現場で活躍することになるわけです。
現場で工事をする前に、施工計画書というとても重要な書類をつくるために長い時間をかけているということをご理解いただけたかと思います。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【6】計画書ができたらいよいよ現場へ 現場監督として指揮!
施工計画書が完成して工事の流れをすべて把握できたら、いよいよ工事がスタートすることになります。
ここからが本格的な現場監督という仕事になっていきます。
現場監督としての最も重要な仕事は、現場が予定通りにしっかりと流れているかを確認すること。品質が保たれているかどうかも見ながら毎日の作業状況を追っていくことになります。
現場監督の指示が適切ならば誰も迷うことなくスムーズに仕事を進めることができますから、視野を広く持ってチェックしていく必要があります。
ここに現場監督としての力量が問われる部分があるのです。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【7】施工管理と現場監督の違いは?
前述しましたが、丸良興業では施工管理と現場監督の仕事は同じ人が担当することになります。
これは他の建設会社でも似たような状況だと聞いたことがありますが、施工計画書をつくるまではどちらかというと内勤の仕事になり、その後現場監督として指揮を執ることになります。
仕事の内容こそ違いますが、どちらも重要な役割だということがおわかりいただけるかと思います。
どちらが楽でどちらが難しいという問題ではなく、どちらも重要で必要な仕事なのは言うまでもありません。
建設業界で成長し、将来性を実感できるようになるためには、
- 施工計画をしっかり立てる能力を身につけること
- 現場をしっかり見て何かあったら対応する能力を身につけること
この両者が不可欠だと言えるでしょう。
おそらくこれはどんな業種でも同じだと思います。
計画を立てて現場を回し、計画通りに進んでいるかをチェックする。
プロジェクト全体の指揮官であり、そのすべてを理解している必要がある仕事。
だからこそ必要なスキルを身につける必要はありますが、将来性が豊かな仕事だと言うことができます。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【8】現場監督の1日の流れは?
それでは現場監督として工事の現場に立ち会っている期間中の流れをもう少し細かく見ていきましょう。
現場がスタートしたら、まずは朝礼。
ここで全員の顔色を見て元気かどうか、体調面を気にすることも大事な仕事です。
少し顔色がない人や表情が暗い人がいたら個別に声をかけるようにしています。
準備運動をしてその日の工事の概要を説明したら、その後はひたすら現場の状況をチェックしていきます。
何もなければ1日が終わり、レポートを作成して翌日に備えるというのが基本的な流れになります。
「毎日レポートを書くのは大変そう」と思う方もいるかもしれませんが、工事が終われば最終的に報告書を作成することになります。
1日1日の小さな努力の積み重ねが報告書作成を楽にすることになるので、その日の出来事はその日のうちにまとめておくことが大切で、ここにも将来性が問われる部分があります。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【9】欠かせないのはカメラ iPadを常用する人も
さて、現場監督というと皆さんはどんな姿を想像されるでしょうか?
実は現場監督には絶対に欠かせないとても重要な仕事があるのです。
それは、写真を撮るということ。
報告書には各工程が滞りなく進んでいるかを証明するため、非常にたくさんの写真を添付することになります。
たとえば歩道橋の撤去工事ならば歩道橋がまだ設置されているところから、撤去中、撤去後とその流れをすべて写真に収めていく必要があります。
「50メートルのうち今日は27メートルまで終わった」といった工程を写真にまとめておくことで、わかりやすい報告書にする必要があるのです。
さらに図面を常に持ち歩く必要も当然ありますし、人によってはiPadを活用する人も。
そうすると写真も撮れますし書類もチェックできるので、首からiPadやカメラをぶら下げている方がいたら現場監督だと思って差し支えないでしょう。
施工管理の仕事内容をわかりやすく解説
【10】工事が完了するとケース一杯の報告書を作成
無事に工事が終了したら、再び事務所での作業が続くことになります。
工事の内容をすべて報告書にまとめていく必要がありますから、施工計画書や毎日のレポートを元にひとつひとつチェックしていきます。
毎日、様々な工程の前後の写真を撮影しますから、写真の量もかなりのものになります。
数えたことはありませんが、膨大な数の写真を報告書に貼る必要があります。
丸良興業ではひとつの工事の報告書をプラスチック製の衣装ケースにしまいますが、まさにケース一杯のファイルができあがる、というわけです。
この報告書を役所にお見せして承認してもらい、費用を支払っていただくことで工事が完了します。
もしここで書類にミスがあったら大変ですから、見直すことも大切。
施工計画書を作成して現場を管理し、最終的に報告書をつくって承認してもらうというプロセスすべてを行うことができれば、本当の意味での将来性が出てくるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
現場監督としての仕事の流れをかなり細かくご説明してきましたが、管理能力が問われる仕事だということがおわかりいただけたのではないかと思います。
それでは続いては、丸良興業の現場監督という仕事のどこにやりがいがあるのか、そのポイントをいくつかお伝えしていきましょう。
東京ドームのグラウンドくらいの大きさの仕事も
丸良興業では大きな土地の工事を請け負うこともあります。
大型クレーンを用いた工事もできるのが当社の特徴ですから、必然的に他の会社さんではできない案件を依頼されることがあるのです。
たとえば1万平方メートルの土地を駐車場にするといった仕事や、貯水池をつくるといった案件もあります。
東京ドームのグラウンドが約13000平方メートルと言われていますから、かなり広大な土地ですよね。これだけ大きな面積の工事となると、現場監督としてのキャリアもそれなりに必要になってきます。
あるいは貯水池をつくる場合は掘削、穴掘りからスタートして水を溜める場所をつくっていきます。上にはソーラー発電の装置を設置するなど、非常に大がかりな工事になっていきます。
30階建てのビルを建設する時などは、1階から30階までの図面を常にチェックしながら進めることになりますから、これもまた大変であると同時にやりがいがあります。
どんな工事でもすべては思い出深いですし「自分がやったんだ」と実感できるところに現場監督の良さがあると思っています。
街全体をメンテナンスする喜び
あるいは大規模な工事でなくても「曲がったガードレールを直す」「バス停の位置が変わったので舗装し直す」といった案件もあります。
いわば街全体をメンテナンスする仕事ですよね。こうした仕事にもやりがいがあって、「この町全体のことに関わっていられる」という喜びがあります。
撤去されたものはだんだんと人の記憶から薄れていってしまうものですが、現場監督として携わった人にとってはどれも絶対に忘れることのできないものです。
何年もたって、たとえば自分の子どもに「以前、ここには歩道橋があって、それを安全に撤去したんだよ」などと、町の歴史を語ることができたら素敵だなと思っています。
自分のアイデアが形になるのが面白い!
そして現場監督として最も面白いと思えることは、自分のアイデアがそのまま形になることです。
「このように進めれば間違いなくスケジュール通りに施工できる」と踏んで施工計画書を作成し、その通りにできた時は非常にうれしいですよね。
もちろん予想外の出来事があってうまくいかない時もありますが、だからこそ自分の想像通りに進められた時には自信になりますし成長を実感することができます。
また、現場監督をしている中で、危険な状況に立ち向かわなければいけないことだってあります。
危険は工事に携わる人の安全のためにも、工事をしっかりと進行させるためにも必ず回避しないといけません。
養生をするとか危険物を撤去するとか、こうした出来事に直面した時に自分のイメージ通りに軌道修正できた時にも醍醐味を味わうことができます。
そして現場監督としての経験が長くなっていくと、自分のチームができあがっていきます。
職人さんとの信頼関係ができあがって、ひとつのチームのキャプテンとしてみんなを引っ張っていくこと。ここに現場監督のやりがいがあると言ってもいいでしょう。
気心の知れた人と素晴らしいチームワークで仕事を進めていく中で「このメンバーなら大丈夫」という確信を持てた時にはすごく恵まれていると実感することができます。
それぞれの職種で頑張っているスペシャリストをまとめて大きなことを成し遂げられる。
現場監督をすることで貴重な人生経験を味わうことができるのです。
施工管理、現場監督の将来性は?
現場監督という仕事のやりがいについて、ご理解いただけたでしょうか?
大きなプロジェクトを任されるようになればなるほど将来性も豊かになっていきますが、小さな仕事だって現場全体を管理し、その通りに進めていくことはとてもやりがいのあることですよね?
緻密な施工計画書を作成すること、そして職人さんとのコミュニケーション、現場を管理し臨機応変に対応する能力。
工事を予定通り終了させて、報告書を作成する力。
かなり多くのことを求められるため、もしかしたら「こんなにたくさんのことをしないといけないの?」と感じた人もいるかもしれません。
しかし、だからこそ味わえる達成感は、他の仕事とはまったく違ったものだと思います。
未来の現場監督を夢見る人がひとりでも多く、この丸良興業に入り切磋琢磨してくれることを心から楽しみにしています。
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