「歩道橋撤去工事」の施工事例を一挙紹介。元請け、一次請けとして工事計画から監督まで自社で手掛けられるクレーン会社
東京、大田区から全国へ。オペレーター付きクレーンレンタル、重量物吊り上げ作業、各種ラフタークレーン/オールテレーンクレーンの作業・手配を手がけている丸良興業です。
建物解体時の「ユンボ」の吊り上げに高層建造物の建立、歩道橋撤去工事、キュービクルの撤去など。
ラフタークレーン・オールタークレーンともに、様々なクレーン車の車種が展開されていることは、それだけクレーン車が必要とされる現場の種類や利用用途が多岐に渡ることも意味しております。
クレーン車による作業は、現場の難易度も一様ではありません。
発注者からすると、一番避けたいのは、現場にクレーン車が乗り込んでみたものの、「やっぱりできない」と施工不可となってしまうことではないでしょうか。
それでは時間とお金が無駄になってしまいます。
狭小地や作業が複雑な現場は、入念な事前調査と計画、オペレーターの経験で培った感覚が物を言います。
今回は、クレーン車を取り扱う工事の中でも、特段難易度の高い公共工事「歩道橋撤去工事」の施工事例をいくつかご紹介いたします。
丸良興業が得意とする、クレーン✕土木の技術が集結する工事です!
なぜ「歩道橋撤去工事」が増えているのか
全国には11,000箇所を上回る歩道橋が存在し、東京都内では1110箇所。
自動車の利用増加に伴い、1960〜70年代にかけて設置された歩道橋が多いようです。
丸良興業に歩道橋撤去工事の相談が増えているのは、その頃に造られた歩道橋の老朽化が問題となっており、場合によってはすぐに撤去せねばならない緊急施工が必要となるケースもあります。
階段の上り下りが発生する歩道橋は、高齢者が利用しにくい設備で、少子高齢化によって利用者は減る中、メンテナンス費用を掛けて維持するか、またはクレーンによる撤去工事を検討せねばならない時期に来ているのです。
(参照:横断歩道橋撤去に向けた取り組み~社会基盤施設の撤去・統廃合を考える~)
クレーンによる歩道橋撤去工事は、クレーン技術に優れているだけでなく、土木工事の知識、そして公共工事の工事仕様に精通しているか、緻密な計画を立てられるか、これらの条件が揃わなければ難しい工事です。
丸良興業は、行政に提出する計画書の作成から施工、ガードマンなど様々な手配、監督まで自社で行っています。
では、これまで弊社で携わってきた歩道橋撤去工事をいくつかご紹介いたします。
歩道橋撤去工事【1】
神宮前の歩道橋撤去、作業は一晩、計画は半年
まず、ご紹介したい施工事例は、表参道(原宿)近く明治通り神宮前6丁目に設置されていた歩道橋です。
この現場は、交通量が多い場所で、様々な制約があった難易度の高い歩道橋撤去工事でした。
近くにはラフォーレ原宿も所在する神宮前の現場周辺は、建物が密集しているうえに、夜でも人通りがあります。
明治通りは片側2車線道路で、現場を往来する車両を一時ストップさせる「全面通行止め」は、1回につき5分までという制約がありました。
基本的には原則片側1車線は通れるようにしておくという条件の下、主桁部分の撤去を一晩で終わらせる、タイムリミットとの戦いとなった作業でした。
21:00には準備を開始し、100tラフタークレーン、120tオールテレーンクレーンも到着。
詳細は別の事例記事でも記載していますが
https://net-maruyoshi.com/works/hodokyotekkyo/
こちらのブログでの、ニュース配信担当の私も、終始現場に張り付いていました。
やはりこれだけ難易度の高い作業とあって、監督やオペレーター、職人さん、現場で走り回るスタッフの方々の表情が真剣そのもの。
真冬の深夜〜朝6:00頃までの作業で、人々が寝ている間に、これだけ多くの人達が関わって、生活の安全を守っていると思うと、一瞬たりとも現場から目が離せませんでした。
歩道橋の主桁は、トレーラーに乗せて運ぶために切断(溶断)しなければなりません。
一般的にはクレーン車で吊り上げ、地上で切断しますが、明治通りの現場では切断作業用のスペースを地上に確保できる場所がなく、「ベント」(橋梁工事などにも用いられる仮の支柱)を組み立て、空中で溶断する手法を取りました。
この歩道橋撤去工事の全体の指揮を取った平島は、キャリアを造船場からスタートした鍛冶工事のプロでもあります。
なかなか切断が難しかった主桁を、時間内に撤去できたのはご協力いただいた鍛冶鳶、鉄骨鳶の方々と、熟練の知識経験の融合が多大な貢献を生んだからと言えます。
この例一つからでも、公共工事のクレーン作業、歩道橋撤去工事において、求められる力量はオペレーター技術だけではない、ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
一晩で行った主桁の撤去ではありますが、工事計画の作成期間は半年以上に及びます。
クレーン会社で、なぜこのような複雑な作業を実現できるのか。
丸良興業は40年以上続く東京都大田区の会社ですが、創業時から様々な種類の現場に積極的に対応し、中でも高度なクレーン操縦技術が求められる海洋土木の揚重作業にて豊富な実績を誇ります。
そこに、土木・舗装工事のスペシャリスト、大規模なインフラ整備工事などで世界を飛び回ってきたベテラン陣が加わり、「クレーン✕土木」の知識と技術が集結。
行政の工事仕様にも精通しているため、公共工事での規定や様々な決まりに準拠した施工を提案できるのです。
歩道橋撤去【2】
葛西は宇喜田歩道橋 緊急性と難易度が高い
次に、直近の歩道橋撤去工事事例、葛西にある宇喜田歩道橋についてもご紹介しましょう。
歩道橋は場所ごとに様々な現場の注意ポイントがあります。
宇喜田歩道橋は、緊急性が高く、歩道橋そのものの経年劣化が著しかった現場でした。
現地調査に向かったところ、主桁の表面、コンクリートの下に敷かれた鉄板が経年で錆び、歩行者が歩く橋面(きょうめん)の劣化も激しく、歩くとコンクリートがボロボロ落ちてきてしまう状態です。
落下したコンクリート片が地上に落ちないよう、歩道橋の下にネットが設置されていました。
また、環境的な要因も施工難易度を高めます。
歩道橋の真上には「高圧線」「メッセンジャー」など、取り外すことのできない電線が交差するように通っており、歩道橋と電線の距離が非常に近く、どこから着手するかの判断と、クレーン操作の難易度が過去最も高い現場でした。
どこから着手していくかがキーポイントであり、今回もベントを設置し、歩道橋は空中で切断しました。
また、劣化状況を加味し、「かご吊り」と呼ばれる手法を採用。
その名の通り、籠を用いることで撤去時のコンクリート片飛散を防ぐことを目的としています。
この手法を提案できるクレーン会社は希少かもしれません。
そして今回はクレーン車の作業ポジションの関係上、約100mの中央分離帯を一旦壊し、仮舗装を行い交通に不便がないよう工夫しました。
作業後、また復旧させるところまで弊社の仕事です。舗装工事の大ベテラン、大橋の腕の見せ所です。
ここまで工事内容が複雑になってくると、仮に一次請け会社が入っていても、施工方法がわからないということがあります。
公共工事では自治体の工事担当者が代わってしまうこともあり、そういったシーンで、公共工事の仕様に慣れていて熟知している丸良興業のベテラン勢が大活躍してくれます。
余談ではありますが、こういった知識、現場経験、対応力は絶対に後世に残していかねばならないものです。
現在弊社では、クレーンオペレーターのみならず、共にこれからの丸良興業を次のステージへと引き上げてくれる土木施工管理者を真剣に募集しています!
クレーン✕土木工事!歩道橋撤去工事の立役者!
丸良興業の特徴が強く表れた歩道橋撤去工事。
宇喜田歩道橋撤去に携わった精鋭たちをご紹介します。
アイデアを具現化する橋梁工事のプロ 工事部:平島
弊社工事部に在籍する平島は、葛西湾岸工事にも実績を持つ、世界をまたにかけ大手ゼネコンのインフラ整備工事で活躍してきた土木プロフェッショナル。
現場に対し、具体的にどういったプロセスを踏んで実現できるのか、公共工事を知り尽くしている平島の判断が、難易度の高い工事も無事故で納められる要です。
歩道橋撤去工事に携わる舗装工事のプロ 工事部:大橋
『羽田空港』の滑走路をはじめとし、これまで様々な舗装工事、街渠工事に携わってきた大橋も今回の工事には欠かせない立役者です。
今回の例で言えば、クレーン車を停車させるため、中央分離帯を工事中に壊す・復旧させるのは大橋の知見が重要でした。
歩道橋撤去計画を柔軟な頭で考えられるのは、こうして付随する工事をフォローできる匠がいるからです。
クレーンの経験に裏付けられた計画と提案力 弊社代表:虻川
かご吊りの採用に、電線を掻い潜った歩道橋の切断。
状況に応じた計画を書類に落とし込んでいくのは弊社虻川が担当します。
困難な現場を無事故で納めてきた実績、他社がサジを投げた現場も多数解決に導いてきた自信。
クレーンの性能を隅々まで把握し、一見不可能と思われる現場であっても解決策を捻り出します。
「どうしたらできるかを考える」
先代から大事にしてきた丸良興業の方針です。虻川をはじめ、クレーンオペレーター、社員全員に浸透しています。
歩道橋撤去【3】
西千葉駅前 5股に分かれた巨大歩道橋の撤去工事
最後にご紹介するのは、西千葉駅前で行った歩道橋撤去事例です。
西千葉での仕事は、現場付近のロータリーを作業現場として確保できたほか大規模な通行止めの許可も下りました。
これだけ見れば、先にあげた事例よりもいくらか簡単そうに思えてしまうかもしれませんが、やはり隣接する住宅との距離も近く、さらに5股に分かれているかなり大きな歩道橋でした。
作業は一筋縄ではいきません。
特筆すべきは現場が大昔の処刑場、いわゆる”首塚”の跡地であったこと。
現場付近に植えられた松の木の伐採はせずに、残す。
その上で歩道橋を撤去するやり方を、何度も打合せを重ね考えました。
また、今回依頼は弊社での過去の歩道橋撤去工事を聞きつけてくださり、施工技術を評価していただいたご相談。
弊社も全力で期待に応えなくてはなりません。
複雑なクレーンの施工技術に土木のプロフェッショナルの知識を総動員させ、10日間だった施工予定期間を大きく短縮したことに喜んでいただきました。
「現場でものを吊り上げる」だけがクレーンの仕事ではありません。
卓越したスキルを持つ多数のオペレーター達、そして土木の精鋭たちが融合し、公共工事にも一次会社として参入できるようになりました。
今後も丸良興業にしかできない分野を拡大していきます。
歩道橋撤去工事でお困りの際はお声がけください。
多角的な視点で最善のご提案をさせていただきます。
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